2023年3月改訂版「定期届出」の書き方(特定技能所属機関)

特定技能外国人を雇用している特定技能所属機関は、四半期に一度、地方出入国在留管理局に対して「受入れ状況に係る届出」をおこなう必要があります。(根拠法令:出入国管理及び難民認定法19条の18第2項)

登録支援機関に委託を委託している場合であっても、「受入れ状況に係る届出」は特定技能所属機関がみずから作成しなくてはいけません。

届出は、各種「届出書」を提出しておこないますが、「届出書」の書き方は複雑で枚数も多く、作成者にとって少なからず負担となってきました。

こうした意見を受けて、入管は今までも書式の改定等を実施して、特定技能関連書類の簡略化に取り組んできましたが、その一環として、2023年3月1日に、定期届出の書類が改定されました

これによって、今まで複数枚にわかれていた書類が1枚になるなど、作成が比較的簡単になりました。

この記事では、2023年3月改訂版の「定期届出」の中で、特定技能所属機関が作成する書類について解説します。

定期届出とは

定期届出の書き方の前に、まずは定期届出がどのようなものなのかを説明しましょう。

特定技能外国人を受入れると、入管法に基づき雇用契約や支援計画等について各種届出をおこなうことが義務付けられています。

定期届出というのは、特定技能所属機関や登録支援機関が決められた時期に定期的におこなう届出のことをいいます。

定期届出をおこなわなかった場合や虚偽の届出をした場合は一定期間、特定技能外国人の受け入れができなくなったり、罰金刑や過料に問われたりする可能性があるため注意が必要です。

支援計画の全部を登録支援機関に委託している場合でも、特定技能所属機関側でおこなう定期届出があるため、忘れずに届け出るようにしてください。

定期届出の提出期間

定期届出は、対象期間を四半期ごとに区切り、その期間についての受入れ状況等を届け出ます。

対象期間ごとの届出期間(書類の提出期限)は、下の表で確認してみてください。

対象期間 届出期間
第1四半期 1月1日〜3月31日まで 4月1日〜4月15日まで
第2四半期 4月1日〜6月30日まで 7月1日〜7月15日まで
第3四半期 7月1日〜9月30日まで 10月1日〜10月15日まで
第4四半期 10月1日〜12月31日まで (翌年)1月1日〜1月15日まで

 

期間を1月から3カ月ごとに区切り、対象期間が終わった翌日から14日以内に、年に4回書類を提出するということです。

郵送で書類を提出する場合は、消印ではなく届出期間内に地方入管局へ届いていなくてはいけません。

届出の内容は2つ

定期届出には2種類あります。それぞれの内容と誰が提出するのかを、しっかり確認しておきましょう。

受入れ・活動状況に係る届出

  • 特定技能外国人の受入れ状況や報酬の支払い状況についての届出
    • 支援を委託している・していないに関わらず、すべての特定技能所属機関が提出するもの

支援実施状況に係る届出書

  • 特定技能外国人の支援状況についての届出
    • 自社支援または一部委託している場合は、特定技能所属期間が提出
    • 支援の全部を委託している場合は、登録支援機関が提出

「支援の全部を委託しているから、登録支援機関に任せておけば大丈夫」というわけではなく、受け入れ・活動状況に係る届出は、特定技能所属機関の責任において提出するものだということに留意してください。

届出書の提出方法

届出書は、次の3つの方法で提出することができます。

  • インターネット
  • 窓口
  • 郵送

それぞれの届出における注意点をお伝えします。

インターネットによる届出

インターネットによる届出は「出入国在留管理庁電子届出システムポータルサイト」からおこないますが、事前に利用者情報登録が必要です。

特定技能所属機関を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口に、利用者情報登録届出書を提出または郵送してください。

提出者が特定技能所属機関の職員であることを証明する書類(職員証、申請等取次者証明書等)を窓口で提示、郵送の場合は写しを同封する必要があります。

登録完了通知メールが届いたら、登録したIDとパスワードで電子届出システムが利用できるようになります。

窓口で届出

窓口で提出する場合、届出書の作成者(特定技能所属機関の役職員)が持参する場合は身分を証明する文書を提示する必要があります。

届出書の作成者以外の方が持参する場合は、届出書作成者の身分を証明する文書の写しに加え、提出する方の氏名・連絡先・特定技能所属機関との関係を明らかにする文書・資料(任意書式の委任状など)を提出してください。

郵送による届出

郵送で提出する場合は、封筒に「特定技能届出書在中」等と記載して、届出書の作成者(特定技能所属機関の役職員)の身分を証明する文書の写しを同封します。

身分を証明する文書とは、日本の機関が発行した身分証明書や健康保険証のことで、申請等取次者証明書がある方はその写しを提出してください。

届出書の提出先

届出書は、特定技能所属機関の住所(法人の場合は登記上の本店所在地)を管轄する地方出入国在留管理局・支局に提出します。

管轄地域や地方局・支局の住所は、下の表で確認してください。

地方局・支局名 管轄する都道府県 担当部門/住所
札幌出入国在留管理局 北海道 【持参による提出先】
〒060-0042
札幌市中央区大通西12丁目
札幌第3合同庁舎
【郵送による提出先】
〒062-0931
札幌市豊平区平岸1条22丁目2-25
仙台出入国在留管理局 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 審査第一部門
〒983-0842
仙台市宮城野区五輪1-3-20
仙台第二法務合同庁舎
東京出入国在留管理局 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県 東京都、新潟県、山梨県、長野県 就労審査第三部門
〒108-8255
東京都港区港南5-5-30
東京出入国在留管理局 横浜支局 神奈川県 就労・永住審査部門
〒236-0002
神奈川県横浜市金沢区鳥浜町10-7
名古屋出入国在留管理局 富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 就労審査第二部門
〒455-8601
愛知県名古屋市港区正保町5-18
大阪出入国在留管理局 滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県 就労審査部門
〒559-0034
大阪府大阪市住之江区南港北 一丁目29番53号
大阪出入国在留管理局 神戸支局 兵庫県 審査部門
〒650-0024
兵庫県神戸市中央区海岸通り29 神戸地方合同庁舎
広島出入国在留管理局 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 就労・永住審査部門
〒730-0012
広島県広島市中区上八丁堀2-31 広島法務総合庁舎内
高松出入国在留管理局 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 審査部門
〒760-0011
香川県高松市浜ノ町72-9 高松出入国在留管理局浜ノ町分庁舎
福岡出入国在留管理局 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 就労・永住審査部門
【持参による提出先】
〒810-0073
福岡県福岡市中央区舞鶴3-5-25
福岡第1法務総合庁舎
【郵送による提出先】
〒814-0005
福岡県福岡市早良区祖原14-15
福岡出入国在留管理局 那覇支局 沖縄県 審査部門
〒900-0022
沖縄県那覇市樋川1-15-15
那覇第一地方合同庁舎

定期届出に必要な書類

登録支援機関に支援実施の全部を委託している特定技能所属機関が、定期届出をおこなう場合に必要な提出書類を説明します。

提出必須の書類

  1. 受入れ・活動状況に係る届出書(参考様式第3-6号)
  2. 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況(参考様式第3-6号 (別紙))
  3. 賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの)
  4. 賃金台帳の写し(比較対象の日本人のもの)

4については省略できる場合があります。省略できる場合については、後述の「3・4賃金台帳の写し」の項目を参照してください。

状況に応じて提出する書類

  • 報酬支払証明書(参考様式第5-7号)
  • 理由書

以上の届出書や添付書類は、全てA4サイズ、片面印刷で印刷して提出してください。

提出書類の書き方

ここからは、提出書類の書き方・ポイントを解説していきますが、その前に届出の対象となる方について理解しておきましょう。

届出の対象となるのは、対象期間中に特定技能1号・2号として受入れ企業に所属している外国人です。

以下のような場合、届出の対象となります。

  • 対象期間より前から受入れ企業に所属している
  • 対象期間に特定技能の在留資格で上陸許可・在留資格変更許可を受けたが、期間中に就労を開始していない
  • 対象期間中に就労を開始し、2日後に自己都合退職した

つまり、対象期間中に1日でも受入れ企業に所属していれば、その期間の届出の対象となります。

ただし、在留資格認定証明書の交付を受けていても、日本に入国していない場合は対象ではありません。

 

また、定期届出で提出する書類は、事業所ごとに作成するものではありません。

法人の場合は本社・本店で1部、個人事業主の場合は事業主の方が1部提出してください。

では、書類の書き方と注意点を、一つずつ説明していきます。

1受入れ・活動状況に係る届出書

引用:出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」
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まずは、受入れ・活動状況に係る届出書の1〜2枚目の書き方を説明します。

☆2の特定産業分野は、複数の分野の特定技能外国人を雇用している場合、該当する分野を全て書いてください。

☆3の住所欄には、法人の場合は登記上の本店所在地を、個人事業主の場合は事業主の住民票の住所を記入します。

☆4・☆5は、参考様式3-6別紙や賃金台帳の写しなど、添付書類について書かれていますので、このあと順番に説明します。

☆6の雇用状況に関することの表には、複数の分野で受入れている場合でも、雇用する全ての特定技能外国人について記入します。該当者がいない場合は空欄にせず、0を記入してください。

☆7の在籍者数は、期間中に退職した者は含めず、期間末日に雇用している人数を記入します。

☆8の新規雇用者数は、期間中に就労を開始した人数を記入します。在留資格認定証明書の交付を受けていても就労を開始していない人は含まれません。

☆9の自発的離職者は外国人側の都合で退職した者、非自発的離職者は会社都合の解雇等で退職した者の数を記入してください。

非自発的離職者を発生させている場合には、労働者名簿の写しを添付しなくてはいけません。

☆10の行方不明者数は、特定技能所属機関の責めに帰すべき事由のあるなしに関係なく、期間中に発生した行方不明者数を記入します。

また、受け入れが困難になった場合は困難になった日から、行方不明者が発生した場合は発生した日から14日以内に「受け入れ困難に係る届出」をおこなう必要があります。

その後、雇用契約が終了した場合は、契約終了日から14日以内に「特定技能雇用契約に係る届出」もおこなってください。

実務上のポイント!

「非自発的離職者」や「所属機関の責めに帰すべき事由による行方不明者」が発生すると、特定技能外国人の受入れができなくなります。

特定技能基準省令第2条で、以下の基準が特定技能所属機関の満たすべき基準として規定されているからです。

特定技能基準省令第2条

二 特定技能雇用契約の締結の日前一年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者(次に掲げる者を除く。)を離職させていないこと。

イ 定年その他これに準ずる理由により退職した者

ロ 自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された者

ハ 期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の期間満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了(労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該有期労働契約の期間満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、当該有期労働契約の相手方である特定技能所属機関が当該労働者の責めに帰すべき重大な理由その他正当な理由により当該申込みを拒絶することにより当該有期労働契約を終了させる場合に限る。)された者

ニ 自発的に離職した者

三 特定技能雇用契約の締結の日前一年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと。

つまり、「自発的に離職した者」や「非自発的離職者で本人に重大な責任があって解雇された者」など以外で、「特定技能外国人」及び「特定技能外国人と同種の業務に従事していた労働者」を会社都合で解雇等した場合は、上記の基準を満たさず欠格事由に該当することになります。

「特定技能所属機関の責めに帰すべき事由による外国人の行方不明者」を発生させている場合も同様です。

実際の事例として、非自発的離職者の項目に人数を記入して定期届を提出した特定技能所属機関が、その後の入管の調査を経て、特定技能外国人の受入れが不可になった事例があります。

今後の受入れが不可になるだけでなく、現在受入れ中の特定技能外国人も受入れを継続することができなくなりますので影響は甚大です。

特定技能外国人と同じ業務の非自発的離職者や所属機関の責めに帰すべき外国人の行方不明者を出さないよう、くれぐれも注意してください。

 

では、書類の書き方に戻りましょう。

☆11の同一の業務とは、特定技能外国人が従事する業務区分内で同じ業務をおこなっている場合です。

☆12は、特定技能外国人が従事している業務とは異なる、例えば、総務、人事、経理などの業務などのことです。

☆13の労働保険の適用状況については、該当する項目にチェックを入れます。

雇用保険・健康保険・厚生年金保険の適用事業所であり、前回の対象機関中に手続きを終えて被保険者である場合は「被保険者資格取得手続を行った」にチェックを入れてください。

手続きが未了の外国人がいる場合は、任意の書式で、特定技能外国人の氏名・生年月日・性別・国籍または地域・住居地・在留カード番号と、手続きが未了である理由を記載した理由書を添付してください。

引用:出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」
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つづいて、届出書の3〜4枚目について説明しましょう。

☆14の期間内に労働災害が発生した場合は、任意書式で、状況や対応の詳細を記載した理由書を添付してください。

労働安全衛生法の規定に反する行為をおこなった場合や、違反に関し労働局から指導・勧告を受けいている場合はチェックを入れ、労働安全衛生法令違反に関する理由書を添付してください。

☆15の支援計画の実施に要した費用とは、支援計画書に記載した支援を期間中に実施するために要した費用のことです。

例えば、登録支援機関への委託手数料や日本語学習のための教材費等で、期間中に支払わなければならない額を記入してください。

☆16の対象者数は、期間中に退職した1号特定技能外国人も含まれます。

☆17の受入れの準備に要した費用については、在留資格申請の際に「雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16」)に記入した、職業紹介事業者へ支払った費用、取次機関へ支払った費用、自国等の機関に支払った費用なども含めて記入してください。

☆18については、特定技能外国人に限らず、日本人従業員や技能実習生について所属機関の適格性に関する指導を行政機関から受けた場合などは、任意書式の理由書を添付して報告する必要があります。

☆19の作成責任者とは、特定技能所属機関の役職員であり、届出書の作成について責任を負う方のことです。

☆20の本届出書作成者とは、特定技能所属機関の役職員であり、実際に届出書を作成した方です。印字ではなく、作成者が署名をしてください。

作成者と作成責任者が同一である必要はありません。

2特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況

つづいて、添付資料の書き方を説明していきましょう。

引用:出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」
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特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況の書類についても、事業所ごとではなく会社で1部作成・提出します。

☆2の活動場所・活動内容については、直近に入管に提出した雇用条件書(参考様式第1-6)の内容から変更があるかないかチェックを入れます。

変更ありの場合は、特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式第3-1号)も併せて提出しなくてはいけません。

☆3は、農業分野・漁業分野で特定技能外国人を派遣労働者として従事させている場合に記入します。その他の分野の場合、チェックは不要です。

直近に入管に提出した就業条件明示書(参考様式第1-13号)の内容から変更があるかないかチェックを入れます。

☆4の活動日数は、対象期間中に実際に就労した日数を1カ月ごとに記入します。休暇等で終日就労していない日は含まれません。

午前休暇を取得し午後から就労した場合や、生活オリエンテーションを実施した場合などは1日と数えます。

在籍していない月については、0日ではなく、斜線等を引いてください。

☆6の支給総額は控除前の額を、☆7の差引支給額は支給総額から税金等を控除した額(手取り額)を、☆8の法定控除額は税金や社会保険料、雇用保険料、介護保険料を記入します。

これらは、締日が含まれる月ではなく、実際に支払われた月に記入してください。

給与の支払いがない月は、斜線等を引いてください。

☆9の報酬決定に当たって比較対象とした従業員とは、在留資格申請時に比較対象とした日本人労働者のことです。

比較対象となる日本人労働者がいる場合は「A」に、いない場合は「B」にチェックを入れます。

比較対象となる日本人労働者の退職等で比較対象者が変更になった場合は、変更後の日本人労働者について記載した「特定技能外国人に関する説明書(参考様式第1-4号)を添付します。

日本人労働者がいない場合は、同一の業務に従事する従業員の賃金台帳写し等の提出が必要です。

記入欄が足りない場合は、用紙を追加・適宜編集して使用してください。

3.4賃金台帳の写し

賃金台帳の写しは、2種類必要です。

まず、特定技能外国人のもの。

届出対象となる特定技能外国人全員分の、届出対象期間に対応した賃金台帳の写しを提出してください。

もうひとつは、日本人従業員のもの。

在留資格申請時に「比較対象となる日本人」として申告した、日本人従業員の賃金台帳の写しを提出します。

日本人従業員の賃金台帳の写しは、個人情報保護の観点から、個人を特定できないよう氏名・生年月日などを黒塗りしてください。

在留資格申請時に「比較対象となる日本人」がいないとした場合や、比較対象の日本人が退職している場合は、「特定技能外国人と同一の業務に従事する従業員」の賃金台帳の写しを提出してください。

実務上のポイント!

「特定技能外国人と同一の業務に従事する従業員」とは、特定技能外国人と同一の業務に従事する「日本人従業員」のことです。特定技能外国人と同一の業務に従事する「外国人従業員」は含みません。

特定技能外国人の報酬は「日本人と同等以上」である必要があるので、同等以上であることを確認する資料として、日本人の賃金台帳の提出を求めているものです。

したがって「特定技能外国人と同一の業務に従事する「日本人従業員」」の賃金台帳を提出すれば足り、「特定技能外国人と同一の業務に従事する「外国人従業員」」の賃金台帳を提出する必要はありません。

「特定技能外国人と同一の業務に従事する「日本人従業員」」もいない場合は、当該従業員の賃金台帳は提出不要です。その場合は、当該従業員がいない旨を説明した文書を、別途添付して提出してください。

 

以上が、全ての特定技能所属機関が提出しなくてはいけない、定期届出の書類です。

報酬支払証明書

つづいては、特定技能外国人の給与を通貨払い(現金払い)にしている場合に提出が必要な書類です。

引用:出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」
クリックで拡大できます

 

報酬を銀行振り込みではなく現金払いにしている場合、報酬を支払ったという証明書の提出が必要です。

対象となる特定技能外国人全員分を、月毎に作成してください。

報酬総額には控除前の額を、現金支給額には税金等を控除した手取り額を記入します。

特定技能外国人本人の署名も必要です。

理由書

次のような状況の場合には、理由書の添付が必要です。

  • 提出期限内に届出書を提出できなかった場合
  • 特定技能外国人の社会保険や雇用保険の被保険者資格取得手続きをおこなっていない場合
  • 特定技能外国人または特定技能所属機関に関する保険料や税の納付をおこなっていない場合

それぞれ、理由を説明した理由書を任意書式で作成し、届出書に添付します。

保険料等の納付をおこなっていない場合は、納付していない保険料や税金の種類、事業所名も記載してください。

提出期間内に定期届出ができなかった場合は、届出書に理由書を添付して、速やかに届出をおこなってください。届出をおこなわないと、罰則の対象となります。

書類の作成は登録支援機関が補助できる

特定技能の受入れ事業者のなかには、定期届出の書類を作成するのが負担だという場合もあるでしょう。

定期届出書の作成は特定技能所属期間の責任においておこなう必要がありますが、登録支援機関が作成の補助をおこなうことは差し支えありません。

初めて定期届出をおこなう事業者の方は、登録支援機関に補助を依頼してもよいかもしれません。

まとめ

特定技能所属機関がおこなう定期届出について、提出時期や書類の書き方を解説しました。

登録支援機関に支援実施の全部を委託している所属機関が提出する書類は次の4つです。

  1. 受入れ・活動状況に係る届出書
  2. 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
  3. 賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの)
  4. 賃金台帳の写し(比較対象の日本人のもの)

提出は3カ月に1回、次の四半期(対象期間)が始まってから14日以内におこないます。

届出をおこなわないと特定技能外国人の受け入れができなくなるだけでなく、罰則の対象にもなるため忘れずに届出ましょう。

 

以上、ご参考になれば幸いです。

執筆者:行政書士 小澤道明(東京都行政書士会所属 登録番号:第16080367)

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