【インタビュー】行政書士に聞く登録支援機関の更新申請

特定技能制度が開始されてから、今春で早5年が経過しました。2019年の制度開始当初に登録を受けた登録支援機関の更新ラッシュが続いています。申請の件数が多いため入管の方でも対応に追われているようです。

更新申請の期間内に更新申請をおこなわず、有効期限を過ぎてしまう登録支援機関も出てくると言われています。

今回は、特定技能ねっと運営行政書士の小澤先生に、登録支援機関の更新申請の注意点、有効期限が過ぎてしまった登録支援機関の対処方法などについてお話を伺います。

 

それでは小澤先生、よろしくお願いいたします。

小澤 よろしくお願いいたします。

登録支援機関更新申請の概要

登録支援機関の登録申請について、まずは概要を簡単に教えていただけますでしょうか。

小澤 はい。特定技能外国人の支援をおこなうためには登録支援機関として登録を受ける必要がありますが、登録支援機関には5年間の有効期限があります。有効期限後も引き続き支援業務をおこなう場合は、更新申請をして許可を得る必要があります。

ここで注意しなくてはいけないのが、更新申請の時期です。いつ申請してもいいというわけではなく、申請ができる時期が決まっているんですね。

具体的には、登録支援機関の有効期間満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月の月末までに更新申請をおこなう必要があります。

 

4か月前までですか。かなり早めに申請しないといけないんですね。

小澤 ですね。ビザの更新の場合は在留期限ギリギリでも申請できますが、登録支援機関の場合は4か月前の月末までに申請しないといけない。

早すぎてもだめです。決められた期間内に申請する必要があるんです。

 

うっかり忘れてしまいそうですね。有効期間満了日までに更新ができないケースもあるんでしょうか

小澤 有効期間満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月の月末までの期間内に申請をすれば、有効期間満了日までに審査結果が出ます。しかし期間内を過ぎた後に申請した場合は、有効期間満了日までに更新できない可能性が極めて高いです。

更新申請期間内に申請できなかった場合

そうなんですね。期間内に更新申請できなかった場合はどうなるんでしょうか?

小澤 指定された期間内に申請できなかった場合は、更新申請ではなく、新たに登録申請をおこなうことになります

つまり、初めて登録支援機関になった時と同じ手続きをもう一度やるということですね。

しかし、そもそも登録支援機関の有効期間満了日までに更新できるように更新申請の期間が設定されているので、期間が過ぎた後に新たに登録申請をおこなう場合は、有効期間満了日までに登録が間に合いません。

すると、有効期間満了日から登録までの間は、当該事業者は登録支援機関ではないことになります。

空白期間が生まれるわけですね。

当然ながら、この空白期間中は特定技能外国人の支援をすることはできません。

 

空白期間中には特定技能外国人の支援をおこなうことはできないのですか?

小澤 そうです。正確に言えば、支援的な活動をおこなうことはできますが、その活動は登録支援機関がおこなった支援とは認められません。

 

どういうことでしょうか。

小澤 1号特定技能外国人を雇用する場合、法令で定められた支援を実施することが義務付けられています。この支援の全部を法務省に登録された登録支援機関に委託することで、適正に支援が実施されることになるわけです。

あくまで「登録支援機関」に支援を委託する必要があるわけで、登録支援機関ではない事業者に支援を委託しても適正に支援が実施されたことにはなりません。

有効期間満了日を過ぎてしまった登録支援機関はすでに登録支援機関ではないので、その事業者がおこなった支援は、法令で定められた支援とは認められないということです。

有効期間満了日を過ぎてしまった登録支援機関の対処方法

それは大変ですね。登録支援機関の有効期間満了日が過ぎた場合、雇用主や特定技能外国人にはどのような影響があるのでしょうか。

小澤 特定技能外国人を雇用する要件として、雇用主には様々な基準を満たしている必要なあるのですが、それらの基準の中の一つに「支援計画の適正な実施」というものがあります。

「支援計画の適正な実施」がおこなわれていない場合、雇用主は欠格事由に該当して特定技能外国人の受け入れができなくなることがあります

雇用主が欠格事由に該当すると認定された場合、その雇用主に雇用されている特定技能外国人は、基準を満たしている別の会社に転職しなくてはいけません

影響は甚大ですので、登録支援機関は有効期間満了日を経過しないよう、更新申請の期間内に申請するようにしてください。

 

なるほど、期間内に更新申請することが大切ということですね。

万が一、有効期間満了日が経過してしまった登録支援機関は、どうすればいいでしょうか?

小澤 更新を受けずに有効期間満了日が過ぎてしまった登録支援機関は、現に1号特定技能外国人の支援をしているか、いないかで、大きく対処方法が変わってきます。

1号特定技能外国人の支援をしていない場合は、速やかに登録支援機関登録申請をおこなうか、事業を継続する意思がないのであれば支援業務の廃止の届出をおこなえば問題はありません。

一方で、現在まさに1号特定技能外国人の支援委託をおこなっている場合は、雇用主や外国人に影響が及ぶので対処が必要です

その場合の対処方法は2つあります。

1つ目は自社支援に切り替えること

2つ目は別の登録支援機関に支援の全部を委託することです

いずれの場合も、雇用主自身が対処する必要があります。

またいずれの場合も、有効期間満了日が過ぎた後ではなく、過ぎることがわかった時点で準備した方が良いです。

 

そうなんですね。「自社支援」に切り替えるためにはどうすればいいのでしょうか?

小澤 自社支援に切り替える場合は、雇用主自身が自社支援の要件を満たしているか確認する必要があります。

自社支援に必要な主な要件は以下の通りです。

  1. 1号特定技能外国人支援計画を作成すること(入管法第2条の5)
  2. 作成した1号特定技能外国人支援計画の適正な実施(入管法第2条の5)
  3. 以下の(イ)~(ハ)のいずれかに該当すること(特定技能基準省令第2条)

(イ)過去2年間に就労資格系の中長期在留外国人の受入れ又は管理を適正におこなった実績があり、かつ、役員または職員の中から支援責任者及び支援担当者を選任していること

(ロ)役員または職員であって、過去2年間に就労資格系の中長期在留外国人の生活相談業務に従事した経験を有する者の中から、支援責任者及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに一名以上の支援担当者を選任していること

(ハ)イ又はロの基準に適合する者のほか、これらの者と同程度に支援業務を適正に実施することができるものとして認めたもので、役員又は職員の中から支援責任者及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに一名以上の支援担当者を選任していること。

他にも細かい要件がありますが、自社支援をおこなうためには少なくとも上記の要件を満たしている必要があります。

けっこうハードルが高そうですね。

小澤 雇用主の状況によりますね。問題なく自社支援ができる会社もありますが、ノウハウは必要です。

雇用主が自社支援の要件を満たしていない場合は、別の登録支援機関に変更することになります。

つまり、支援の委託先を変えるということですね。

 

登録支援機関を変更するときの注意点はありますか?

小澤 自社の状況に合った支援機関を選ぶことが大切です。

具体的には次の点に注意が必要です。

  1. 対応言語
  2. 特定技能産業分野
  3. 対応地域
  4. 中途解約の可否

まず、対応言語ですが、登録支援機関によって対応可能な言語は違います。

ベトナム語は対応しているけどカンボジア語は対応していないとか、両方とも対応しているとか様々です。

新たに支援を委託する登録支援機関が、受入れている特定技能外国人の母国語に対応しているかどうかを確認する必要があります。

次に、特定技能産業分野ですが、委託する登録支援機関が自社の産業分野に対応しているかどうか確認する必要があります。

産業分野をしぼって営業している登録支援機関が多いからです。全ての産業分野に対応している登録支援機関はあまりありません。

例えば自動車整備分野の支援を登録支援機関がおこなう場合、登録支援機関に自動車整備士等の資格保有者が在籍している必要がありますが、これに対応している登録支援機関は少ないのが現状です。

対応地域も確認が必要です。登録支援機関は定期的に対面での面談をおこなうので、距離の問題が出てきます。

最後に、中途解約の可否ですが、ここは特に注意が必要です。

委託先を変更した後、もともと委託していた登録支援機関が登録を取り直した時に委託先をどうするのか、という問題です。

委託先をもとの支援機関に戻すのか、それとも引き続き変更後の支援機関に委託するのか事前に検討するべきです。

この点を最初にはっきりさせておかないと、トラブルの元になります。

登録支援機関ならどこでもいいというわけではないんですね。

小澤 そうですね。自社の状況に合う登録支援機関に委託するのがいいと思います。

 

注意点がたくさんあって混乱しそうです。

小澤 もう一度整理しましょうか。ポイントは3つあります。

1つめ、登録支援機関の更新申請は、指定された期間内におこなうこと。指定された期間とは「有効期間満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月の月末まで」

2つめ、期間内に更新申請をしなかった場合は更新申請ではく、新規の登録申請をおこなうこと。

3つめ、更新しないまま有効期間満了日を過ぎる場合、自社支援に切り替えるか別の登録支援機関に変更すること。

この3つです。特に1つめが最も大切です。期間内に更新申請しておけば、有効期間満了日までに更新できるので、2や3の問題は起きません。

くれぐれも申請期間を忘れないようにしてください。

 

よくわかりました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

小澤 こちらこそ、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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