行政書士が解説する介護分野での特定技能外国人の雇用のポイント

少子高齢化が進む日本。

高齢者等の介護を取り巻く問題について耳にする機会も多くなっています。

とりわけ介護者の人材不足。

また人材不足により、既にいる従業員への負担が大きくなり労働環境が厳しくなったり、それに伴って離職者が増えたりと、介護事業を担う現場の皆様は色々と苦労が多いのではないでしょうか。

そのような中、特定技能外国人を雇用したいなと思いつつも、色々な疑問が出てきてこのページにたどりついた方もいらっしゃるのではないかと想像します。

ここでは、入管業務の専門家行政書士が、特定技能「介護」分野でおこなえる具体的な業務内容や実務上の注意点について、ポイントを絞って解説いたします。

特定技能「介護」分野では、外国人にどんな業務をさせられるの?

特定技能外国人を雇用した場合、日本人と同じような業務を任せられるのかどうか、具体的にどんな業務をさせられるのか、といった質問をよく受けます。

結論から言うと、特定技能外国人には身体介護全般の仕事を任せることができます。

具体的には、利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつ、衣服着脱、移動の介助等の身体介護に従事してもらうことが可能です。

この他、レクリエーションの実施や機能訓練の補助等の支援業務も可能です。

それだけではなく、直接的な介護業務ではありませんが、関連業務にも従事することができます。

たとえば、日常の清掃やリネン交換等の業務です。

ただし、これらの関連業務のみにもっぱら従事することはできません。

本来の身体介護業務と合わせて行う場合に、関連業務が認められます。

「雑務だけを外国人におこなわせてはダメですよ」という趣旨の決まりです。

とはいえ、決まりをきちんと守れば幅広い業務に従事できますので、介護事業者としては即戦力として期待できるかと思います。

よくある質問~訪問介護サービス業務は?

特定技能外国人に任せられる業務について、「訪問介護サービス業務もお願いできる?」といったご質問をよくいただきます。

実は、利用者の居宅においてサービスを提供するような訪問介護等の訪問系サービスは対象外になっています。

これは、利用者と特定技能外国人双方の人権擁護の観点、また適切な在留管理の観点から認められていません。

サービス提供の形態にもよりますが、原則として「サービス付き高齢者向け住宅」での業務も訪問介護とみなされるので、特定技能外国人に任せることはできません。

介護サービスを提供しているところではどこでも雇えるの?

業務内容に加えて、よく聞かれるのが特定技能外国人の働く場所についてです。

「有料老人ホームでも雇うことはできるの?」といったように、特定技能外国人を受入れることができる場所や雇用する側の要件は重要になってきます。

介護分野で特定技能外国人を雇用できる場所(事業所)は、「介護福祉士国家試験の受験資格の認定において実務経験として認められる事業所」であること、という要件があります。

具体的にどういうことかと言いますと、「特別養護老人ホーム」や「障がい者(児)施設」、「地域福祉センター」といった社会福祉施設や、対象者が高齢者・障がい者(児)であり、主たる業務が介護業である施設(事業所)等がこれにあたります。

ただし先ほど業務内容の説明の際にお伝えしたように、特定技能外国人に訪問介護等の訪問系サービスにおける業務を任せることはできません。例えば特別養護老人ホームの運営と訪問介護サービスを行っている事業所の場合、特定技能外国人を雇用することはできますが、訪問介護サービス業務を任せることはできないので、気を付けましょう。

よくある質問~有料老人ホームは?~

よく質問にでる「有料老人ホーム」についてですが、サービスの提供形態によって受け入れられる場合とそうでない場合があります。

受入れ可能な施設は、特定施設入居者生活介護を行っているところ、介護予防特定施設入居者生活介護を行っているところ、地域密着型特定施設入居者生活介護を行っているところ、が対象となります。

基本的には介護付きの有料老人ホームは対象となりますが、各家庭への訪問介護とみなされる住居提供をしている住宅型有料老人ホームは対象外となります。

この辺は少し判断しがたい点でもありますので、有料老人ホームでの受け入れを検討される場合は、受入れができるのかどうか事前に確認することをお勧めします。

特定技能外国人は即戦力として期待できる?

特定技能外国人ができる業務や働ける場所についてお分かり頂けましたでしょうか。

でも特定技能外国人にこれらの業務をお願いするにしても、仕事内容を一から教えるのは大変。そもそも日本語は理解できるの?といった点も気になりますよね。

特に介護分野では、人との関わり、コミュニケーションがとりわけ重要になってきます。

この点については事前に知っておきたいポイントだと思います。

そもそも特定技能制度は、人材不足の解消のために、一定の技能・日本語能力を持った外国人の受入れを促進するために設立されました。

したがって受入れてから「即戦力」として期待できる技能や日本語でのコミュニケーション能力をあらかじめ持っている外国人が対象となっています。

利用者の心身の状況に応じた介護が一定程度できるレベルの人

つまりどういうことかと言いますと・・・

介護分野では、技能的には利用者の心身の状況に応じた介護を自ら一定程度実践できるレベルを持った人になります。

また介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の日本語能力を持っている人になります。

ちなみにこのような技能や日本語能力があることを、外国人は試験等を通して証明する必要があります。

利用者の心身の状況に応じた介護が一定程度でき、そしてそれを日本語で行ってくれるのは、非常に頼もしい存在になるのではないでしょうか。

しかし日本人と同様に、最初は慣れない職場環境、人間関係で戸惑うことも多いと思いますので、フォローは大切になりますね。

雇用の際に注意しなければならない点は?

では、実際に介護分野で特定技能外国人を雇用する際に特に注意しなければいけない点をご説明します。

受入れられる特定技能外国人の人数枠

まず一つ目は、受入れ人数です。雇用できる特定技能外国人の人数に制限があるので注意しましょう。

その制限とは、日本人等の常勤介護職員の総数が上限となります。したがってそれを上回る数の特定技能外国人を雇うことはできません。

常勤介護職員には「介護」ビザで働いてる外国人も含まれます。

ただしこの人数は「事業所単位」となります。つまり一つの法人で複数の事業所を持っている場合は、その事業所毎での人数制限となります。

雇用形態は直接雇用

二つ目の注意点は、雇用形態です。

直接雇用でなければならず、派遣は認められていませんので注意しましょう。

また「フルタイム」である必要があります。

このフルタイムとは、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であること、そして週の労働時間が30時間以上であることとされています。

おわりに

介護分野で特定技能外国人を雇用する場合のポイントをいくつかご説明しました。

いろいろと要件はあるものの、人材不足に悩んでいる事業所の皆様にとって特定技能外国人の雇用はメリットも多いのではないでしょうか?

当事務所では事業者様の個別の状況に応じて、最適な方法で特定技能外国人雇用のサポートをうけたまわっております。

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ここでは、これまで受けたご相談・質問を中心に、介護分野で特定技能外国人を雇用する際のポイントをお話ししましたが、もっと詳しく知りたい方は、「介護分野における特定技能ビザ人材活用」のページもご参照ください。

執筆者:行政書士 小澤道明(東京都行政書士会所属 登録番号:第16080367号)

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