行政書士が解説するビルクリーニング分野での特定技能外国人雇用のポイント

日本では少子高齢化が進み、働き手として期待される若手の人口が減少し、様々な分野で人材不足の問題が顕在化しています。

ビルクリーニング分野もその一つです。

ビルクリーニング分野の仕事は中々に大変で、特に若い人たちからは敬遠されることもあります。そのため募集をかけてもなかなか人が集まらない状況で困っている事業者様も多いと思います。

ここでは、特定技能外国人の受入れサポート実績を持つ入管業務の専門家行政書士が、特定技能「ビルクリーニング」分野でおこなえる具体的な業務内容や実務上の注意点について、ポイントを絞って解説いたします。

特定技能「ビルクリーニング分野」では、外国人にどんな仕事を任せられるの?

特定技能外国人を雇用したいと思っても色々と気になる点があると思います。

その一つは、具体的な「業務内容」についてではないでしょうか。

特定技能外国人に任せられる業務内容についてはよく質問を受けますので、最初にご説明したいと思います。

建物内の清掃業務と関連業務

ビルクリーニング分野で特定技能外国人に任せられる業務は、一言でいえば「多数の利用者が出入りする建物内での清掃業務」になります。

つまり、オフィスビルやホテル等の建物の廊下、階段、トイレ、エレベーターやエスカレーターの清掃や、駐車場等の清掃ですね。

またホテル等の宿泊施設の客室のベッドメイク作業も認められています。

これらの業務の他、関連する業務を行うこともできます。

たとえば資機材等の倉庫の整備、建物の外壁や屋上等の洗浄作業、ホテル等宿泊施設でのベットメイク以外の客室整備作業等です。

このような通常は日本人の従業員が担当している業務であっても、特定技能外国人が上述のような清掃作業と合わせて付随的に携わることは問題ありません。

ただしこれらの「関連業務」が特定技能外国人のメイン業務になってしまわないよう注意が必要ですが、清掃業務を中心としながらも幅広く業務にしてもらえるのは非常に助かるところではないでしょうか。

多くの人が利用する建物の内部での清掃

業務内容の説明の時に少し触れましたが、清掃の対象となる「建物」は、住宅を除く、不特定多数の人が利用する建築物の内部になります。例えばオフィスビルやデパート、ホテル、美術館等ですね。

住宅には、戸建てや共同住宅の専有部分等が含まれますので、これらは対象外になります。

しかし、たとえば共同住宅のロビーや廊下といった共用部分は、ビルクリーニング作業対象に含まれます。

ビルクリーニング業をやっているところであればどこでも雇えるの?

特定技能外国人に任せられる業務に次いで気になるのは、雇う側の要件ではないでしょうか。

実はビルクリーニング作業を行っている事業所ならどこでも特定技能外国人を受入れられるわけではありません。

「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録が必要

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受入れられるのは、建築物衛生法における建築物清掃業(1号登録)か、建築物環境衛生総合管理業(8号登録)の登録を受けている事業所になります。

特定技能の在留資格申請時に、このいずれかの登録証明書の提出が必要となります。

特定技能外国人を受入れたいものの登録を受けていない場合は、事前に登録しておきましょう。ただしそれぞれ登録要件があるので要件を確認した上で手続きをしましょう。

また登録を受けている場合でも有効期限切れとなっていないかも確認しておきましょう。

特定技能外国人は即戦力として期待できるの?

特定技能外国人に任せられる業務やどのような事業所であれば受け入れられるのかについてご説明しましたが、肝心の特定技能外国人とは一体どんな人なのかという点についてもよく質問があります。

特定技能外国人にビルクリーニングの作業をお願いするにしても、仕事内容を一から教えるのは大変。また日本語は?と気になりますよね。

そもそも特定技能制度は、人材不足の解消のために、一定の技能・日本語能力を持った外国人の受入れを促進するために設立されました。

したがって受け入れてから「即戦力」として期待できる技能や日本語でのコミュニケーション能力をあらかじめ持っている外国人が対象となっています。

状況に応じて方法や用具などを適切に選択して清掃作業ができるレベル

ビルクリーニング分野では、対象となる建物の場所や部位、汚れ等の違いに対して、マニュアル等に基づいて、自分で判断して、方法や洗剤・用具を適切に選んで清掃作業ができるレベルを持っている外国人が対象となります。

このような技能があるかどうかは、事前に試験等で判断されます。

特定技能外国人は、ビルクリーニング分野の所定の試験に合格するか、もしくは技能実習生としてビルクリーニング職種・作業に従事した経験が求められています。

そのため仕事をしてもらう上で、基本的な知識や技能があるということが証明されている点は安心なのではないでしょうか。

ビルクリーニング分野では、すでに受け入れていた技能実習生や、アルバイトとして雇っていた留学生等が特定技能外国人になるケースも多いです。このように日本の生活や社会に馴染みがあり、また業務に関しても理解のある外国人は心強い存在になりますね。

雇用の際に注意しなければならない点は?

では実際にビルクリーニング分野で特定技能外国人を雇う場合に注意しなければならない点について、ポイントをご説明いたします。

外国人の要件の確認

まず人選を行う際には、必ずビルクリーニング分野で定められている特定技能外国人の要件を満たしているかどうかを確認してください。

要件とは、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施している「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」に合格し、かつ日本語能力判定テストか日本語能力試験(N4レベル以上)で所定のレベルに合格していること、もしくはビルクリーニング職種・ビルクリーニング作業の技能実習2号を良好に修了していることのどちらかを満たしている必要があります。

雇用形態はフルタイムの直接雇用

雇用形態についても規定があります。

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を雇用する場合、直接雇用でなければいけません。派遣は認められていませんので注意しましょう。

また「フルタイム」である必要があります。

ここでの「フルタイム」とは、具体的に労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であること、そして週の労働時間が30時間以上であることとされています。

勤務日数や時間については、この基準を満たすように設定しましょう。

給与は日本人と同等以上

特定技能外国人の給与について、いくらに設定すればよいのか?基準はあるの?といった質問もよく受けます。

給与にも基準があり、その特定技能外国人が従事する業務と同じ業務を行っている日本人の給与と同額もしくはそれ以上でなければなりません。

もし特定技能外国人にお願いしたいと思っている業務と同じ業務を行っている日本人従業員がいない場合は、その業務に最も近い業務を行っている日本人従業員を比較対象として構いません。

給与にも規定がありますので、安易な設定はせず根拠に基づいて算出・設定しましょう。

また特定技能ビザ申請時に、なぜこの給与額に設定したのか、を説明しなければなりませんので、ご注意ください。

特定技能外国人を支援する体制

ビルクリーニング分野のみに限りませんが、特定技能外国人を受入れようとする事業所等は、義務付けられている特定技能外国人への必要な支援がちゃんとできる組織なのかどうか、が問われます。

この特定技能外国人への支援は、受入れる事業所等が自ら実施できるのであればそれでも構いません。

しかし自分たちで行うのは難しいという場合は、「登録支援機関」に委託することもできます。

支援の全部を「登録支援機関」に委託すれば、受入れ機関として求められている特定技能外国人の支援体制は整っていると判断されます。

委託する場合は費用がかかりますが、状況によっては自分のところで体制を整えるより委託したほうが費用や労力が抑えられる場合もあります。

支援体制をどのように整えるのか、費用・コストの面からも事前に確認しておきましょう。

おわりに

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を雇用する場合のポイントをご説明しましたが、お分かりいただけましたでしょうか。

いろいろと要件はあるものの、人材不足に悩んでいる事業所の皆様にとって特定技能外国人の雇用はメリットも多いのではないでしょうか。

当事務所では事業者様の個別の状況に応じて、最適な方法で特定技能外国人雇用のサポートを承っております。

特定技能ビルクリーニング分野についての要件調査、ビザ申請、支援委託、コンサル等のご依頼は下記のお問い合わせフォーム(電話またはメール)からご連絡ください。

ここでは、これまで受けた相談・質問内容を中心に、ビルクリーニング分野で特定技能外国人を雇用する際のポイントをお話ししました。もっと詳しく知りたい方は、「ビルクリーニング分野における特定技能ビザ人材活用」のページもご参照ください。

執筆者:行政書士 小澤道明(東京都行政書士会所属 登録番号:第16080367号)

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