※この記事では「自動車整備分野」に特化してお伝えします。他分野では要件などが異なることもありますので、ご注意ください。
私たちの移動を支えている乗用車、タクシー、バス、物流を支えているトラック等は、自動車整備士等による整備・修理によって安全な走行ができています。
しかしこの自動車整備業に従事する人は減ってきており、人材不足が顕在化しています。
自動車整備分野では、国内で人材を十分に確保することが難しいことから特定技能外国人を受け入れることができる対象分野となっています。
ここでは、自動車整備分野で特定技能外国人の雇用を検討されている事業者様向けに、特定技能制度に詳しい行政書士が「自動車整備分野における特定技能ビザ人材活用」について分かりやすく説明します。
Table of Contents
車の安全・安心な走行を支える自動車整備業
私たちの生活に身近な乗用車やタクシー、バス等ですが、安全・安心な走行の実現に貢献してくださっているのは自動車整備業で働く人たちです。
しかし、自動車整備分野では人材不足が深刻化しています。
近年、同分野での従業員数は下図のとおり横ばい状態ですが、定年退職者の人数が新入社員の人数を上回るような状況が続き、人材不足が顕著化してきています。
また自動車整備士の平均年齢も45.3歳と年々高くなってきており、整備士を含めた技術者等の恒常的な不足が懸念されています。
自動車整備分野の従業員数と整備要員数の推移
自動車整備分野の現状~日本人従事者の減少と外国人材の活用~
自動車整備分野での人材不足の要因としては、少子化の影響、若者の車離れによる関心の低さ、また業務も体を使うためハードであるという点等があります。
自動車整備業界への関心を高めるべく、国土交通省では、若者や女性の就業促進を目的として、運輸支局長等による高等学校訪問や、自動車整備士のポスターや動画の作成、ネットを活用した情報発信、自動車整備工場の経営者に対する人材確保セミナーを開催するなど、国内人材の確保のための取り組みを行っています。
一方、国内人材の確保に関する取り組みを行ってもなお人材が不足していることから、特定技能外国人の受入れ対象分野として自動車整備分野が指定されました。
自動車整備分野では、特定技能外国人を制度設立から向こう5年間で、最大7,000人を受け入れることとしています。
自動車整備分野での特定技能制度~即戦力として期待できる~
特定技能制度は、国内の深刻な人材不足問題の解消を目的として、外国人労働者の拡大を促進するために2019年に設けられた制度です。
自動車整備分野と同様に人材不足に悩む14分野で、「特定技能」ビザで外国人材を受け入れることが可能となりました。
特定技能制度は、人材不足の解消が目的のため、既に一定の技能レベルを有している外国人を対象としていることから、雇用後は即戦力としての活躍が期待できます。
「特定技能」ビザには、「1号」と「2号」があり、両者は技能レベルのほか、在留期間等の条件に違いがあります。
しかし現時点で「2号」の特定技能外国人を受け入れられる分野は建設分野と造船・舶用工業分野に限られており、残念ながら自動車整備分野では「1号」の外国人のみが受け入れ可能となっています。
特定技能「1号」とは
特定技能「1号」は、その分野に関する相当程度の知識または経験が必要とされる業務に従事する外国人向けのビザになります。
自動車整備分野では、自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備に関する作業を一人で適切に行えるレベル(3級自動車整備士相当)が求められています。
在留期間は通算で5年までとなっており、原則単身での在留となります。
特定技能外国人が従事できる業務は?~日常点検整備・定期点検整備・分解整備~
それでは特定技能外国人が従事できる業務は何でしょうか。
特定技能外国人が従事できる主たる業務は以下の3つになります。
- 日常点検整備
- 定期点検整備(道路運送車両法に基づく法定点検整備)
- 分解整備(エンジン、ブレーキ、ギアボックス等重要部品を取り外して行う整備又は改造)
なお、上述の主たる業務と合わせて行う場合に限り、日本人が通常従事することとなる関連業務(整備内容の説明や関連部品の販売、清掃等)に付随的に従事することは認められています。
この関連業務にあたる具体的な業務は、以下のような業務です。
- 整備内容の説明及び関連部品の販売
- 部品番号検索・部内発注作業
- 車枠車体の整備調整作業
- ナビ・ETC等の電装品の取り付け作業
- 自動車板金塗装作業
- 洗車作業
- 下廻り塗装作業
- 車内清掃作業
- 構内清掃作業
- 部品等運搬作業
- 設備機器等清掃作業
※上記は関連業務の一例です。上記の業務以外でも、日本人の自動車整備士が通常おこなう関連業務であれば認められます。
ただし、これらの「関連業務」にのみ専ら従事することはできませんので、注意しましょう。
特定技能外国人を雇用するには?~受入れ側の要件~
特定技能外国人が従事できる業務について説明しましたが、具体的にどのような事業所で雇用できるのでしょうか。
特定技能外国人を雇用したい場合は、自動車整備分野特有の要件を満たしていること、かつ特定技能外国人を受け入れられる14分野共通の要件を満たしていることが必要となります。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
自動車整備分野特有の要件
まず自動車整備分野特有の要件ですが、以下の内容を満たしている必要があります。
- 道路運送車両法に基づく認証を受けていること
- 国土交通省が組織する協議会の構成員となり、かつ必要な協力を行うこと
- 国土交通省が行う調査又は指導に対して、必要な協力を行うこと
これらの自動車整備分野特有の3つの要件について詳細を説明いたします。
道路運送車両法に基づく認証を受けた事業場であること
受入れ機関は、道路運送車両法78条1項に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場であることが必要となります。
この認証要件として、道路運送車両法第80条1項1号、道路運送車両法施工規則57条6号に規定される従業員に対する整備士の要件が課せられます。
つまり、1級、2級又は3級の自動車整備士の技能検定に合格した者の数が、従業員の数を4で除して得た数(その数に1未満の端数があるときは、これを1とされます)以上であることが必要です。
この際に注意が必要なのは以下の点です。
- 特定技能外国人は整備士としてカウントできません
- 技能実習生の受入れも行っている場合には、従業員数には技能実習生+特定技能+その他日本人の従業員がカウントされます
特定技能外国人のビザ(在留資格)申請時には、認証を受けていることを証明する資料を添付する必要があります。
自動車整備分野特定技能協議会への加入及び必要な協力の実施
特定技能外国人の受入れ対象分野には、特定技能外国人の適正な受入れ及び保護を行うこと等を目的として、協議会が設けられています。
自動車整備分野でも「自動車整備分野特定技能協議会」が国土交通省により設置されています。
特定技能外国人を受け入れたい受入れ機関は、本協議会に加入する必要があります。
入会に当たっては、特定技能外国人を受け入れる事業場を管轄する地方運輸局等に、入会届出書及び遵守事項を提出します。
加入が認められれば、その後協議会事務局より「構成員資格証明書」が発行されます。
加入のタイミングですが、、特定技能外国人を受け入れた日から4か月以内となります。
ビザ申請時には、初めて特定技能外国人を受け入れる場合には、「自動車整備分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」において、『特定技能外国人を受け入れた日から4か月以内に協議会の構成員になること』について誓約する必要があります。
なお、2回目以降の受入れの場合や既にいる特定技能外国人のビザ更新の際には、協議会の構成員であることの証明書「構成員資格証明書」の提出が必要となります。
※なお自動車整備分野の特定技能外国人の支援を行う登録支援機関も本協議会への加入が義務づけられています。
全分野共通の要件~様々な法令遵守、外国人支援体制等~
上述の事業所要件や協議会への加入等、自動車整備分野特有の要件に加えて、特定技能外国人を受け入れることができる14分野で共通に求められている要件も満たしておく必要があります。
例えば、労働・社会保険・租税に関する法令を遵守していること、1年以内に受入れ機関側の事由で行方不明者を発生させていないこと、特定技能外国人の雇用を継続できる体制が整っていること等が挙げられます。(この要件については、『特定技能はじめの一歩』のページをご参照ください)
どんな人が自動車整備分野で働けるの?~外国人側の要件~
では、次のどのような外国人が自動車整備分野で特定技能外国人として働くことができるのか見てみましょう。
既にご説明しましたが、特定技能外国人には一定の技能レベルが求められています。
したがってその技能レベルを満たしていること、かつ即戦力として期待されていることからある程度の日本語能力があることもが必要となります。
技能及び日本語の要件を満たして特定技能外国人になるためには、以下の二つの方法があります。
- 自動車整備分野で定められた技能試験及び日本語能力試験に合格すること
- 対象となる職種・作業の技能実習2号を良好に修了していること
これらについて詳しく説明します。
試験をクリアして特定技能1号へ~技能試験と日本語試験~
必要な試験を受けて要件を満たす場合には、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が実施している「自動車整備分野特定技能評価試験」もしくは「自動車整備士技能検定試験3級」に合格し、また後述のような日本語能力試験に合格する必要があります。
自動車整備分野の特定技能試験
自動車整備分野において必要な技能及び業務上必要な日本語の能力を評価するための試験として、以下の二つがあります。
- 自動車整備分野特定技能評価試験
こちらの試験は、2021年時点では日本国内と海外(フィリピン)で試験が行われています。
試験は、学科試験と実技試験とからなっています。
①学科試験の科目
・構造、機能及び取扱法に関する初等知識
・点検、修理及び調整に関する初等知識
・整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識
・材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
②実技試験の科目
・簡単な基本工作
・分解、組立て、簡単な点検及び調整
・簡単な修理
・簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い合否の基準は、学科試験は正解数が出題数の65%以上、実技試験は得点合計が60%以上となっています。
試験日程や詳細情報については、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会のHP「特定技能評価試験」をご参照ください。 - 自動車整備士技能検定試験3級
こちらは一般的には日本人で自動車整備士になりたい人が受ける資格ですが、こちらを受験し、要件を満たすことも可能です。ただし必要な受験資格があるので、こちらの受験を検討する場合には、国土交通省のHPで受験資格を事前に確認しておきましょう。
日本語能力試験
特定技能外国人として日本国内で業務・生活するためには、ある程度の日本語でのコミュニケーション能力が必要となります。
その日本語能力を証明するためには、「日本語能力試験(JLPT)」でN4レベル以上に合格するか、もしくは「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」に合格する必要があります。
日本語能力試験(JLPT)は、N1からN5までの5段階のレベルに分かれており、N4以上(N4、N3、N2、N1)のレベルに合格する必要があります。
JLPTは、日本と海外(約80の国と地域)で特定の試験日(年2回)実施されます。
結果は、受験日から約2か月後にオンラインで知ることができますが、合否結果の通知は3か月後になります。
一方、日本語基礎テスト(JFT-Basic)」は、JLPTのようにレベル分けはなく、一つのレベルとなります。
CBT方式で、海外(主にアジア地域)と日本で年6回実施されます。
JFT-Basicは、受験当日に結果が分かり、受験日から5営業日以内に判定結果通知が発行されます。
受験の機会はJFT-Basicの方が多いですが、受験日や受験方法、また結果通知時期などを考慮してどちらを受験するか考えるとよいでしょう。
技能実習2号からの移行
「技能実習制度」においても、2016年に「自動車整備」が追加されました。
したがって技能実習での自動車整備職種・自動車整備作業の2号を良好に修了した外国人は、技能試験や日本語試験が免除され、特定技能に移行することが可能です。(しかし特定技能への移行が保証されているわけではなく、あくまで技能レベル・日本語レベルに関しては要件を満たしているということになります。)
特定技能外国人の雇用の流れ~人材確保から就労開始まで~
以上のとおり、特定技能外国人を受入れる側と外国人側の要件を説明しましたが、次に人材を確保して就労してもらうまでの流れを説明します。
Step1: 人材確保
技能実習生として受け入れていた外国人を特定技能外国人として雇用する場合以外は、日本人の雇用と同様に採用活動を行うことになります。ハローワークや民間の職業紹介所等に相談するとよいでしょう。
人選の際には、必ず当該外国人が「特定技能外国人」としての要件を満たしているかどうかしっかりと確認をしましょう。
Step2:雇用契約
法令を遵守し、当該外国人と雇用契約を締結します。
(給与や休日等の処遇が、同様の業務に従事する日本人と同様であることや、外国人社員ならではの出入国のサポートや生活状況の把握なども必要となります。)
雇用形態としては、直接雇用・フルタイムである必要があります。(派遣は不可です)
(特定技能運用要領では、本制度でいうフルタイムとは労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であって、かつ週労働時間が30時間以上であること、とされています。)
Step3:支援計画の策定
特定技能外国人1号を雇用する場合には、外国人が日本で安定かつ安心して生活し働くことができるよう、法律によって定められている支援を行う必要があります。
事前ガイダンスから住居の確保、就労後の3か月に1回の面談等10項目が義務付けられており、これらの支援をどのように実施していくかを記載した「支援計画」を策定する必要があります。
Step4:事前ガイダンスの実施、健康診断の受診
先に記した「支援計画」に従い、受入れ機関又は登録支援機関は、雇用契約を結んだ外国人に対して事前ガイダンスを実施する必要があります。
(特定技能1号の外国人を対象として支援の実施は、その全部を『登録支援機関』に委託することができます。登録支援機関の詳細については、『徹底解説 登録支援機関』のページをご参照くだい。)
また外国人は健康診断を受診する必要があります(検査項目は指定されています)。
Step5: ビザ(在留資格)の申請
必要な書類を揃えて地方出入国在留管理局にて手続きを行います。
雇用する外国人が海外にいる場合には、「在留資格認定証明書交付申請」を行い、「在留資格認定証明書」を受領した後に、当該外国人のもとにその証明書を送付することになります。
その後、当該外国人が在外公館において査証(ビザ)の申請をし、受領することになります。
この「在留資格認定証明書」には有効期間がありますので、期間内に手続きすることが必要です。(コロナ禍の現在、この有効期間の延長措置が取られています)
一方雇用する外国人が日本国内におり、「特定技能」とは異なる別の在留資格を既に持っている場合には、「在留資格変更許可申請」手続きを行うことになります。
ビザ申請時に提出する書類は多くあります。書類に不備があると追加資料の要求がされる等余分に時間がかかってしまうこともあるので、慎重に準備をしましょう。
ビザの審査期間は、2カ月前後となっています。
Step6:入国・就労開始
ビザを取得した後、入国・就労が可能となります。
入国後、就労開始から遅滞なく、受入れ機関もしくは登録支援機関は外国人に対して生活オリエンテーションの実施や、住民登録などの手続き、住居の確保等の支援を行う必要があります。
外国人が円滑に日本での生活を送れるよう支援し、環境を整えましょう。
特定技能外国人を雇用した後は?~日常的な外国人支援や届出等が必要
特定技能外国人を雇用した後に必要となってくる受け入れ期間側の対応などについて確認しておきましょう。
日常的な外国人支援
前述のとおり特定技能外国人を雇用する際、ビザの申請時に「特定技能1号外国人支援計画書」を提出します。
この支援計画書に記載した特定技能外国人に対する日常的な支援を実行していく必要があります。
これら支援計画に記載した支援内容を全部「登録支援機関」に委託することも可能です。
各種手続き・届出等
この他にも、出入国在留管理庁やハローワークに対して次のような各種届出を定期的に、または随時行う必要があります。
これらの義務付けられている届出をしなかったり、虚偽の届出といった違反が発覚した場合には、指導や罰則の対象となりますので注意しましょう。
特定技能外国人を雇用する際にかかる費用は?
人材紹介料や送出機関に関する費用
既に技能実習生として雇用している外国人を特定技能として継続して雇用する場合には、この費用は発生しません。
しかしイチから人材を探す場合には、人材紹介会社や送出機関を活用することもあると思います。その場合には紹介料等の費用が発生することになります。
人材紹介会社にお願いした場合は50万円前後が紹介料の相場となっているようです。
送出機関についてですが、特定技能制度に関して二国間の協力覚書で特定技能人材を採用する際に送出機関を通すことが定められている場合があります。
在留資格取得に係る費用
在留資格の交付を受ける際に、出入国在留管理庁に支払う手数料がかかります。
自身で申請手続きを行う場合には、この出入国在留管理庁に支払う手数料のみですが、申請手続きを行政書士等に委託する場合には別途費用が発生します。
委託費用は15万円前後が相場になっています。
登録支援機関に支援を委託する場合の費用
特定技能外国人1号を雇用する場合、受入機関は支援計画を策定し、それに従って支援を行わなければなりません。
この支援を登録支援機関に委託する場合には、委託費が発生します。
登録支援機関の相場は、支援外国人1人あたり平均20,000円~50,000円(月額)となっています。
月額料金を安く設定している支援機関は月額料金とは別にオリエンテーションや面談の費用を徴収していることもあります。
これに対して月額料金のみを徴収している支援機関は月額料金が比較的高めに設定されている傾向があります。
特定技能外国人に係る費用
雇用する特定技能外国人本人には給与の支払いが発生します。
給与の額は、当該外国人が従事する業務を行っている日本人社員と同額以上の額でなければなりませんので、注意しましょう。
また事業者によって異なりますが、渡航費や家賃などの補助を行う場合もあります。
登録支援機関に支援を委託する場合の留意点~協議会への加入、自動車整備実務経験者の配置等~
自動車整備分野で、特定技能外国人の支援を登録支援機関に委託する場合には、留意が必要です。
登録支援機関を選ぶ際には、委託しようとしている登録支援機関が以下の要件を満たしているか、事前に確認をしましょう。
登録支援機関が要件を満たしていない場合には、特定技能外国人の受入れ機関は「受入機関適合性」を満たしていないということになりますので注意が必要です。
登録支援機関の要件①自動車整備分野特定技能協議会の構成員であること
受入れ機関と同様に協議会の構成員である必要があります。(加入のタイミングは、初めて受け入れる場合には特定技能外国人受け入れ後4か月以内となります)
そして、協議会に対して必要な協力を行わなければなりません。
登録支援機関の要件②国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと
登録支援機関も受入れ機関と同じく、国土交通省が行う調査又は指導に対して必要な協力を行うことが求められています。
登録支援機関の要件③自動車整備士1級・2級の資格者又は自動車整備士養成施設において5年以上の指導に係る実務経験を有する者を置いていること
自動車整備分野での特定技能外国人を支援する登録支援機関には、自動車整備実務経験者の配置が求められます。
常勤・非常勤は問われませんが、個別に審査されます。
特定技能外国人のビザ申請時には、この人材に関する証明書を提出する必要があります。
すなわち自動車整備士1級もしくは2級の資格を持つ人の「自動車整備士技能検定合格証」や、自動車整備士の養成施設において5年以上の指導に関する実務がある旨の実務経験証明書等が必要となります。
登録支援機関も、特定技能外国人のビザ申請時に「自動車整備分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」で上述の①~③の事項について誓約する必要があります。
自動車整備分野での特定技能外国人活用のまとめ
最後に、これまで述べてきた自動車整備分野での特定技能外国人を活用する際のポイントについて整理しておきましょう。
- 自動車整備分野では、特定技能外国人を最大7,000人受け入れる計画でいる
- 特定技能外国人は、自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備に従事することが可能
また特定技能外国人はこれらの作業を一人で適切に行えるレベルが求められているので、即戦力として期待できる - 受入れ機関は、道路運送車両法に基づく認証を受けていなければならない(認証要件として従業員に対する整備士の人数要件あり)
- 受入れ機関は、自動車分野特定技能協議会に加入し、必要な協力を行う必要がある
- 特定技能外国人の要件を満たすには技能試験・日本語試験にクリアするか、自動車整備職種の技能実習2号を良好に修了していることが必要
- 登録支援機関に特定技能外国人支援を委託する場合には、登録支援機関が必要な要件を満たしているかどうか事前に確認すること(協議会への加入や自動車整備事務経験者の有無等)
- 特定技能外国人を受け入れた後は、受入れ機関(登録支援機関)は定められた各種届出や支援を確実に行いましょう。